ピュアオーディオ応援

まずはじめに

融雪カンテラさんの『Soundgirl-音響少女-』の発売(2009年6月13日)に刺激されたので、私もアニメ・ゲーム・声優の音楽に特化したオーディオの話を3回に分けて書こうと思う。

主催者の岩井喬氏とピュアオーディオへの応援を込めて…。
(1)リファレンスCDと試聴の大切さ (※1)
(2)予算の決定とネット情報の利用方法について
(3)オーディオ機器の選び方と購入方法

※1…ここでは、普段聴いているお気に入りのCDの意味とする。音・録音・楽曲がよく、定位感が明確であればなお良い。

リファレンスCDと試聴の大切さ

第1回は、「リファレンスCDと試聴の大切さ」について取り上げることにする。

私のリファレンスCDは、以下の通りである(2009年6月現在)。

1.Ornithopter -AIR Original Compilation Album-
2.魔女の宅急便 サントラ音楽集
3.K-ON! ORIGINAL SOUND TRACK
4.Cagayake!GIRLS、Don’t say “lazy”、ふわふわ時間
5.ぼくの地球を守って オリジナル・サウンドトラック VOL.1

ちなみに、普段聴いている音楽ジャンルは、POP、ROCK、PUNK、CLASSIC、JAZZなど多種多様…。

まず、製品を購入する前に、リファレンスCDをお店に持参して、気になるオーディオ機器を静かな場所で試聴することが大切である。

同じ機器であっても、できれば場所を変えて何度か試聴した方が良い。

確かに、CLASSICやJAZZではなく、アニメ・ゲームソング・声優ソングということで、特にオーディオ専門店では、引け目を感じたりまたは恥ずかしいと思ってしまい、店員に試聴をお願いしにくい方が多いかもしれない。

けれども、試聴せずにネットでの評判、見た目(例.スピーカーが天然板の突板仕上げだからなど・・・昔の私orz)や製品スペック、『オーディオ評論家の○○氏が勧めているから』や『オーディオに詳しい知り合いの○○が勧めているから』などという理由だけで選んで買ってはならない。

それらの機器から出てくる音は、あくまでも勧めてきた相手の好みである。

もしくは、国内のオーディオ評論家または店舗がリベートを貰っている会社の機器から出てくる音であり、どちらも自分の好みではない場合が多い。

その結果、一概には言えないが、後悔する確率が高くなってしまう。

また、店頭に置いてある曲は、オーディオマニアが好んで聴くCLASSICやJAZZが多い。

水樹奈々嬢や田村ゆかり嬢、堀江由衣嬢、豊崎愛生嬢などの曲を聴いている方にとって、CLASSICやJAZZのCDは、オーディオ機器を選ぶ際に一つの目安にはなるとは思う。

けれども、それらの音楽に適した機器を選択することには結びつかない。

CLASSICやJAZZとPOPやROCKとでは、明らかに音楽の性格が違うし、各々の機器にもジャンルの得意・不得意があるからだ。

予算の決定とネット情報の利用方法について

第2回は、「予算の決定とネット情報の利用方法について」について取り上げることにする。

一般に、入門向けのオーディオ機器にかける予算として、CDプレーヤー+プリメインアンプ+スピーカーで合計30万円、配分としては3割+3割+4割と言われている。

しかしながら、30万円は気軽に出せる金額ではないので、今回は予算を10万円前後(新品限定)に設定することとしよう。

では、10万円前後でどんなオーディオ機器が買えるのかというと、正直単品コンポ(※2)を購入するのは、入門機であればいくつかの機種を買うことは出来るが、予算的にはかなり厳しい(※3)。

※2.44cm(フルサイズ)のCDプレーヤー・プリメインアンプ(プリアンプ+パワーアンプの組み合わせの場合もある)とスピーカーを組み合わせたオーディオシステム。オーディオマニアが持っているメインシステムの多くは、上記の組み合わせである。

※3.例えば、以下のような組み合わせなら10万円以内で購入できる。

・ONKYO C-773+ONKYO A-973+MONITOR AUDIO Bronze BR2

また、置き場所がないと設置すらできない。部屋のサイズによっては、オーディオ機器の大きさばかりが目立ってしまい、インテリアとして足を引っぱることも考えられる。

下記に、音質とおしゃれをそれなりに両立したシステムの一例をあげてみた。

1.KENWOOD DP-K1000-N+KENWOOD R-K1000-N+TANGENT EVO

ネット情報の活用についてだが、自分が気になるまたは音の質感が好みの機器のコメントについて、参考にするのは構わないと思う。

しかしながら、それらの情報を鵜呑みにし、試聴もせずに購入してしまうのは、ミスマッチを起こす原因の一つになりかねない(※4)。

※4.オーディオ専門雑誌等の情報についても同じことが言える。ベストバイ等での選出機器やオーディオ評論家のコメントを参考にするのは良いけれども、それを完全に信じてしまうのはやめた方が良いかもしれない。ただし、自分の好みに適合した機器を探すため、数ある中から3~5機種前後まで選別するには、ブログの書き込みや2chの情報(製品によっては専用のスレがある)は非常に有用な情報の一つとなる。

オーディオ機器の選び方と購入方法

第3回の最終回は、「オーディオ機器の選び方と購入方法」について取り上げることにする。

機器の簡単な選び方とシステム全体で10万円という予算の範囲内で購入できる主な機種を提示して、最後に購入方法について書こうと思う。

まず、機器の選び方についてだが、この価格帯の場合、機能のどの部分にこだわり、どの部分を妥協するのかが重要なポイントとなる。

プリメインアンプ一つを例に取ってみても、使用されているパーツ(コンデンサーやボリュームなど)の品質を重視するならば、TREBLEやBASSなどの機能はなくても良いと割り切るなどといったことである。

下記に、予算の範囲内で組み合わせて買える機器をカテゴリ別に取りあげてみた。

【CDプレーヤー】

・ONKYO C-773
・MARANTZ CD5003
・KENWOOD DP-K1000

【プリメインアンプ】

・ONKYO A-973
・MARANTZ PM5003
・YAMAHA AX-497
・KENWOOD R-K1000

【スピーカー】

・tangent EVO
・MONITOR AUDIO Bronze BR2
・Highland Audio AINGEL3201
・audio pro IMAGE12
・TANNOY MERCURY F1 Custom

音の好みに応じて、この中から組み合わせれば良い思う。CDプレーヤとプリメインアンプは2万円から3万円前後、スピーカーは2万円から4万円未満で販売されている価格のものからいくつかピックアップしてみた。

ただし、この価格帯のプリメインアンプは、音を増幅させるパワーがそれほどないので、スピーカーは上記であげたような出力音圧レベルの高い製品を選んだ方が無難かもしれない(※5)。

※5.出力音圧レベルが高い(=高能率である)とパワーの弱いアンプでもスピーカーの性能を引き出しやすい(=鳴らしやすい)。

ケーブル類についても簡潔に話そうと思う。

製品に付いてくるRCAケーブル(赤白ケーブル)をつないでも音は出てくるが、下記にあげる少しグレードの高いRCAケーブルを利用してみるのも手である。

それぞれのケーブルによって音の特徴があるので、音の質感が上がるのはもちろんのこと、音が変わったことを実感しやすい。

【RCAケーブル】

・audio-technica AT564A 1.0m
・audioquest Alpha-Snake 1.0m
・TARA LABS PRISM 100a 1.0m

スピーカーケーブルについても同様のことが言える。下記に安くて手に入りやすく、音が良いものをいくつか取り上げようと思う。

【スピーカーケーブル】

・BELDEN STUDIO 718Mk2
・TARA LABS Prism OMNI ST-8N
・ortofon SPK-3100 Silver

機器の購入の仕方だが、最終的に価格.COMに載っているような通販の安いお店で購入するにしても、試聴は欠かせない。

もしオーディオ専門ショップに行って入りにくいと感じた方は、ヨドバシカメラやビックカメラなど家電量販店で試聴したり、購入したりすれば良いと思う。

家電量販店の旗艦店であれば、オーディオコーナーは充実しているし、専門知識を有している店員もいるので、分からないことや疑問点を聞いたり、アドバイスを頂いたりすることもできる。

試聴する環境として、周りの音が聞こえる微妙な店舗も多いが…(※6)。

※6.ヨドバシカメラの新宿西口本店は、ピュアオーディオコーナーが他の売り場と離れている(フロアが独立している)ので、試聴する環境としてはオーディオ専門店と遜色ない。また、ポイント還元分を考慮しなくても、専門店で売られている機器の価格よりも安い場も多々ある。

余談だが、インシュレータは、メーカーにこだわりがなければ、東急ハンズでそれに近い製品を安く手に入れることも可能である。

ピュアオーディオに少しでも興味をお持ちの(もしくは持たれた)方は、『百聞は一見にしかず』なので、実際に家電量販店のオーディオコーナーに足を運んでオーディオの音を聴いてみると良いかもしれない。

番外編

今回は、番外編ということで、機器のセッティングについて簡単に話そうと思う。

RCAケーブルやスピーカーケーブルを変更する以外にも、CDプレーヤーやプリメインアンプ、スピーカーの下にインシュレータを敷いたり(※7)、電源ケーブルを付属品からホスピタル(医療向け)グレードのパーツを利用したものに変えたり、電源タップをOAタップからオーディオ用のものにグレードアップしたりしても、音に変化が生じる。

※7.主に木製や金属、ゴムなどの素材から作られている。安くて簡単なインシュレータは、3点支持(▽)または4点支持(□)に10円玉を敷くことである。

なお、プリメインアンプの中には、機器の裏側に電源コンセントを挿せる機種もあるが、それを利用すると音質が悪くなる。CDプレーヤの電源は、上記のコンセントではなく、電源タップから取るようにした方が良い。

余談にはなるが、今お持ちのミニコンポのスピーカーケーブルを変えたり、インシュレータを活用すれば、低コストで音質を向上させることが可能である(※8)。

※8.ブックシェルフ型のスピーカーは、スピーカースタンドの上に置いて鳴らした方が、聴く時の耳の高さに合わせて設置できる上、定位のしっかりした音が楽しめる。ホワホワとぼやけない。

今回は新品の製品を利用したことを前提に話を進めて来たが、中古の機器を利用すれば、同じ10万円でもより高級なシステムを組むことができる。

CDプレーヤー・プリメインアンプ・スピーカーのうち、スピーカは中古でも構わないと思っている(※9)。

※9.CDプレーヤーは、駆動装置やピックアップなど消耗する部分が比較的多いのでオススメできない。また、プリメインアンプもガリ(ガリオーム)やハンダクラックが発生することを考えると、対処できない方はやめておいた方が無難かもしれない。ただし、ウーファーにウレタンの素材が使われているスピーカーは、経年変化によりボロボロとなってしまうので、購入を見送った方が良い。

最後に、『Soundgirl-音響少女-』以外に下記の書籍などを読んでみると、ピュアオーディオの基本知識についてそれなりに分かるのではないかと思う。

【オーディオ関連書籍】

・いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門
(石原俊 著 / 岩波アクティブ新書)
・オーディオの作法
(麻倉怜士 著 / ソフトバンク新書)
・極上の音を楽しむ!大人のオーディオ大百科
(マキノ出版ムック)